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「 慶讃文 」
正本堂完成奉告大法要
時に、日本国富士山麓には秋気深く颯颯の風吹き、紅集散りて大地に破壊の音を響かす。ここに忽然として正本堂の涌現ありて天空に生気を発し世界に平和の光明を輝かせり。
其れ正本堂は南北三百三十米、東西百三十米の石台の上に建つ、その意を案ずるに、行者の十三事法を踏え雲上三十三天の帝釈天宮を超越した虚空に懸かる妙宝塔を表すなり。
その構成は法庭、円融閣、思逸堂、妙壇の四部より成る。まづ前方法庭の八葉の蓮華よりは瑠璃光の浄水を噴出し凡心を清め、三諦円融の閣には妙法五字の妙音が奏でられる。思逸堂にては一向に謗法の念慮を絶し、妙壇は五味の主醍醐味の正主事の一念三千人法一箇独一本門戒壇の大御本尊に南無し奉る人びとの懺悔滅罪の所、婆婆即寂光の霊場なり、未来永遠の妙法下種の本処でもある。
そもそも正本堂は法華請総講頭池田大作年来の大構想を以っての発願により正宗八百万信徒が随喜の浄財を捧げて建立を志し、信徒横山公男の頭脳的な設計により株式会社大成建設等六社の共同企業体に依頼して建設に着手し、その資材は世界各国に求め、四年の歳月と百万人の協力により美事な白亜の大殿堂となってここに完成し、去る十月一日完工式が執行せられた。
観れば、千居の原を背景に富士山を東北に、天子ヶ嶽を西北に、大石ヶ原を前面に、遠く駿河湾を見晴らし老杉に囲まれたその姿は人智のなし得た最高の風物詩とも云はん。
日達此の正本堂に日興跡条々の事に因んで本門戒壇の大御本尊を安置し奉ったのである。此の如く是法住法位なれば正に世間相も亦常住ならん。
経に若散乱若微善皆仏道とあれば我等御本尊に帰命し奉る者の即身成仏は明白なることなり。されば不受余経一偈に住し一心に南無妙法蓮華経と修行する時は 如来今
諸仏の智慧 諸仏の自在神通の力 諸仏の師子奮迅の力 諸仏の威猛大勢の力を 顕発し宣示せんと欲すと。
涌出品に説かれる如く三世の功徳と利益が我が身に具わるは必定なり。況や事の一念三千本門戒壇の大御本尊を安置し奉る此の処は即ち是れ本門事の戒壇にして真の霊山、事の寂光土なり。一度此の処に詣でん人は無始の罪障たちまちに消滅し
煩悩・業・苦の三道 法身・般若・解脱の三徳と転じ、能居・所居・身土・色心・倶体・倶用・無作三身の本門寿量の当体蓮華仏となる、之れ自在神力の功能なれば、ただ有難きことと渇仰すべきである。
冀くは進んでは妙法蓮華経を全世界の人びとに下種結縁し広宣流布の大願成就を祈念して無二の地球上に平和と幸福とをもたらし現世に常寂光土の実現あらんことを。
宗祖日蓮大聖人我等に哀愍を垂れ給へ。南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経
昭和四十七年十月十二日
日蓮正宗管長
総本山六十六世嗣法 日
達
顕正会の「御遺命守護」に関わる部分のみ、御遺命守護資料館の貴重な資料として抜粋して紹介しました。著作権者からの指摘・要請があれば、相応の対応を検討します。
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