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虫払会御書講で正論
三日後の四月六日、総本山の年中二大法要の一つである御虫払会(おむしばらいえ)が行われた。席上、満山大衆を前にして細井管長はこう述べた。
「王仏冥合の姿を末法濁悪の未来に移し顕わしたならば、必ず勅宣並びに御教書があって、霊山浄土に似たる最勝の地を尋ねられて戒壇が建立出来るとの大聖人の仰せでありますから、私は未来の大理想として信じ奉る」と。
建築が進みつつある正本堂を眼前にして、三大秘法抄に御遺命の戒壇を「未来の大理想として信じ奉る」と明言されたのである。これは明らかに正本堂の誑惑を否定するものであった。
ちなみに、後年学会と抗争に陥った阿部管長が「日達上人の昭和四十五年四月六日の虫払会御書講の御指南こそ、宗門僧俗の根本的信念であります」等と学会に釈明したのは、この説法を指したものである。
( 日蓮大聖人の仏法、冨士大石寺顕正会発行、浅井昭衞著、第十章より
)
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