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     池田の巻き返し

  細井管長のこの本心吐露は、池田の目には裏切りと映る。すべて「法主」の承認のもとにことを進めてきた彼にすれば、この“裏切り”は許しがたい。定めて巻き返しの機を覗(うかが)っていたものと思われる。

 たまたまこの時、彼は学会の出版妨害事件に端を発する
国会喚問に怯えていた。そして学会の天敵ともいえる共産党からは、衆議院議長に宛て「質問主意書」が発せられていた。
 その趣旨は、学会が主張していた「国立戒壇」は憲法違反であり、かつ宗教団体が、違憲の国立戒壇の実現を目的として政治活動を行うとすれば、その活動も憲法違反ではないかとして、政府に答弁を求めたものである。

 政府はさっそく学会に「国立戒壇」について照会した。

 池田はすでに数年前、学会の立場では国立戒壇を否定している。しかしこの回答を政府に提出するに当っては、こんどは
宗門に国立戒壇否定の公式決定を出させる必要があった。

 ここに池田は
猛烈な圧力を宗門に加える。


         (  日蓮大聖人の仏法、冨士大石寺顕正会発行、浅井昭衞著、第十章より  )


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