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政府への欺瞞回答
かくて池田大作のもくろんだ「宗門合意」は不成立に終った。しかし翌四月二十三日、回答の期日を迎えた創価学会は、国立戒壇の意義について正式に文書をもって、次のごとく政府に回答した。
「本門戒壇とは、本尊をまつり、信仰の中心とする場所のことで、これは民衆の中に仏法が広まり、一つの時代の潮流となったとき、信者の総意と供養によって建てられるべきものである。
二、既に現在、信徒八百万人の参加によって、富士大石寺境内に、正本堂の建設が行なわれており、昭和四十七年十月十二日には完成の予定である。これが本門戒壇にあたる。
三、一時、本門戒壇を“国立戒壇”と呼称したことがあったが、本意は一で述べた通りである。建立の当事者は信徒であり、宗門の事業として行うのであって、国家権力とは無関係である」
この回答書は、国家と無関係に宗門が建てた正本堂を「御遺命の戒壇」と偽わり、国立戒壇を否定したものである。
一期弘法付嘱書には「国主此の法を立てらるれば」と示され、三大秘法抄には「王臣一同に本門の三大秘密の法を持ちて ・・・・・
勅宣並びに御教書を申し下して」と定められているではないか。これが御本仏の御遺命である。国家と無関係に建てた偽りの“本門戒壇”で、どうして仏国が実現しようか。
池田大作は「憲法違反」の批判を恐れるあまり、憲法に合わせて御遺命の戒壇を曲げてしまったのだ。
思えば日目上人は、国主の尋ねもなきに、身を捨てて国主に国立戒壇建立を訴え給うた。しかるにいま池田大作は、政府より尋ねられてなお、国立戒壇を否定し政府を欺いたのである。
( 日蓮大聖人の仏法、冨士大石寺顕正会発行、浅井昭衞著、第十章より
)
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