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     戒壇の大御本尊御遷座

 昭和四十七年十月七日、戒壇の大御本尊は奉安殿より正本堂に遷(うつ)され奉った。

 --- が、その時の空気には、なにか訝(いぶか)しさが感じられた。何を恐れてか、人目を憚(はばか)るごとくこれを隠密裡(おんみつり)に行なっているのだ。
 もし十月三日の誑惑訂正が池田の衷心(ちゅうしん)より出たものなら、御遷座を誰に憚ることがあろう。

 しかるに、妙信講の目を恐れるごとく、密かにこれをなしている。その理由は、当時
は窺(うかが)い知るよしもなかった。





         (  日蓮大聖人の仏法、冨士大石寺顕正会発行、浅井昭衞著、第十章より  )


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