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「早く遷座し奉るべし
さて、阿部管長の登座をもっとも喜んだのが、池田大作であつた。彼は声を大にして「御法主上人猊下を断じてお守りする」と繰り返した。
阿部管長もますます池田に諂(へつら)い、二人の癒着(ゆちゃく)はいよいよ堅くなつた。
登座四ヶ月後、私は諌暁を開始した。細井管長に対する諌暁は正本堂の誑惑を訂正せしめることを目的としたが、阿部管長へのそれは、もっぱら御遷座を強く迫った。
ゆえに第一回の諌暁書の末文に云く「阿部管長には早く改悔し、速かに正本堂より奉安殿に大御本尊を御遷座申し上げ、以て誑惑を清算、違背の大罪を償われんことを」と。
--- 国立戒壇に安置し奉るべき戒壇の大御本尊を、国立戒壇を否定するための正本堂に居(す)え奉っているのだ。
大御本尊を辱(はずかし)め奉ること、これより甚しきはない。
御本仏の法魂いかで安穏に住し給うべきと思えば、一日として心安き日はなかった。これより阿部管長への諌暁は連々と続く。
( 日蓮大聖人の仏法、冨士大石寺顕正会発行、浅井昭衞著、第十章より
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