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    「興尊雪冤録」の妄説を破す
         ( 初心者への指針 )

  
四、本門戒壇本尊への誹謗を駁す

   ( 南無妙法蓮華経は大聖人が所有し給ふ

 (略)

 次ぎに高田氏が、本尊抄の御文を以て仏像造立にあるとしてをる。即ち本尊抄の「
末法に来入して、始めて此の仏像出現せしむべきか」を仰せ給うのは、本門の釈尊を造立せられるにある、といふのである。

 此れ全く、近視眼者の錯覚である。此の仏像と仰せ給ふは、寿量品の仏である南無妙法蓮華経の如来のことであらせられる。即ち、久遠の自受用身であらせられる。此事は、本尊抄の全御文を拝すれば、明らかである。
 尚・御本尊は、
大聖人の観心を建立し給ふことを、しつかりと拝すべきである。南無妙法蓮華経は大聖人が所有し給ふは、法華経に明証せられるところである。
 
 元来・釈尊を造立することは、法華経にもないではないか。法華経には「
此経の中に如来の全身があり」と仰せられて、経典を尊重すべきを説かれてある。此の経典を尊重する、此れが法華経の談道である。それ故・天台大師は、法華経を根本に尊崇なされたのである。
 仏像を安置するは、此の談道に背くことである。本尊問答抄を、よくよく拝すべしといひたい。大聖人は、
南無妙法蓮華経の如来仏像に建立し給ふ、それが本尊抄の御文である。

 (略)


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