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   敬白文

 時今や晩春の候、岳南の天地百花未だ尽きずして、既に新緑に萌えんとする本日、此の日を択び、多宝富士大日蓮華山大石寺精舎の御影堂に於て宝前を荘厳し奉り、日蓮正宗緇素一統列席の下に大法要を虔修し、
 
末法有縁・下種三宝尊・本地難思・境地冥合・久遠元初自受用・無作の三身・寿量文底・人法一箇・十界互具一念三千の御当躰・本門戒壇の大本尊、
 本因妙の教主・一身即三身三身即一身・三世常恒の御利益・末法有縁の主師親・三徳大慈大悲の宗祖・日蓮大聖人、
 唯我与我・法水潟瓶・血脈付法・第二祖開山・日興上人師、
 一閻浮提の御座主・第三祖目目上人及び当山歴代の御上人
の御前に、合掌低頭・読経唱題して以て恭しく虔み敬て白す。

 六十四代日昇上人は徳高く、其の温容と精励とは一宗の讃仰を集め給うところにして、而して卒先垂範・能く教導し給いしを以て、宗門には活達の気漲り、各自奉公を競うに至る、依て宗門は近代稀に見る進展を為しつつあり、然るところ御在職十年を数へ御老齢に逢するを以て猊座を下るの機と望み姶ひ、茲に承継の人を択ばる、
 かくて、野衲・計らず日昇上人の御推挽を辱し、亦・一宗緇素の推挙を被り其の人に当る、野衲の光栄何ものか此れに過ぎむ、

 しかし乍ら自ら省みるに徳は極めて薄く、其の器に非ざるを以て逡巡するところなりしも翻て惟ふに、寿量品の釈に師の命は厳・弟子此れに従ふと、僧道の肝要は師の命に能く従ふにあり、依て自らを省みず遂に意を決し命に従ふこととなせり、
 
二月九日学頭に就任三月二十九日大坊に晋山三月三十日未明・日昇上人より畏くも血脈相承を受けて第六十五代の法燈を嗣げり、願くば仏祖三宝・愛愍を垂れ、此のことを納受し給はむことを、

 惟ふに現下世上は全く教法の依るところに迷い、各自唯・其の本能のままに行動す、為に其の振舞・自我に堕し信は地を払ひ、
精義亦汚泥に堕せんとす、人々各々相倚るを得ず、正しく経文の五濁乱漫・貧窮弧露にして其の甚しきものあり、
 而も此間、邪教は愈々熾烈にして阿鼻の苦に油を注ぐが如し、此の秋に当り正法を世上に敷き、一切の衆生をして仏祖の大慈に浴せしめんこと、今日より急なるはなし、
 茲に日淳・法燈を嗣ぎ、唯一に念願するところは
宗祖の遺訓を体し、二祖日興上人、三祖日目上人を姶め奉り歴代の先蹤を承継して内には教学の振興を計り、行規を励守し諸般の改善を行ひ、以て宗門の真価を高め外には一意・正法流布の教化を励み、立正安国の実を挙ぐることにあり、

 幸にして一宗の僧侶大徳並檀信徒、既に異体同心・悉く心を此に置き日夜精進しつつあり、日淳此の力に期待して涓埃を泰山に寄せむことを期す。
 仏祖三宝・御威光培々盛んにましまして、日淳並に宗門一統の微衷を御照鑑・冥助を垂れ給はむことを伏して熱祷奉る

        昭和三十一年四月二十日
                            総本山六十五世 日淳 合掌敬白



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