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         御法主上人猊下御指南

     
創価学会秋谷会長外十二名の連名による質問に対する回答・教示
 
                                      
 ( 訓諭の「正本堂の定義」の文の補足

 以上日達上人の御指南は、正本堂をそのまま広宣流布の時即ち『三大秘法抄』『一期弘法抄』の戒壇と決定されてはいないし、その時はむしろ別に建つこともありうるという趣意すら窺えます。
 そして、私はここに日達上人の御真意があらせられたことを、常日頃の謦咳に接したこととも併せて、かく信ずるものです。

 信の一字をもって『三大秘法抄』『一期弘法抄』を拝し奉る以上、先に掲げた日達上人の昭和45年4月6日の虫払会御書講の御指南こそ、宗門僧俗の根本的信念であります。すなわち、未来の広布の暁がいつになるかは未定ですから、正本堂の建物がそうであるかないかを現在において断定することも、またできない道理です。

 故に、日達上人は、昭和49年11月17日の、創価学会第37回本部総会の講演で、「今、深くこれを思うに、日本国全人口の三分の一以上の人が、本門事の戒壇の御本尊に純真な、しかも確実な信心をもって本門の題目、南無妙法蓮華経を異口同音に唱えたてまつることができたとき、そのときこそ日本国一国は広宣流布したと申し上げるべきことであると、思うのであります。この時には我が大石寺は、僧侶の指導者たち、信徒の指導者たち、相寄り相談のうえ、大聖人ご遺命の富士山本門寺と改称することもありうると、信ずるのであります」と述べられました。

 この文を広宣流布の目安として拝察するとき、まことに容易でない内容を含んでいます。今日の日本人口1億2000万以上の三分の一とは4000万以上であり、このように大勢の純真確実な信心をもった人々が戒壇の大御本尊へ参詣することを考えたとき、また今日の広布の現状より考えて、純真にして確実な4000万人信徒の折伏達成の時期に思いをいたすとき、それらの推測に付随する様々な事情よりして、正本堂を、その時の戒壇として今から断定することは難しいであろうと思います。したがって、一部建立発願者及びその他の関係書が、御遺命の戒壇であるように願うという願望は自由であるが、尊厳なる大聖人の御遺命に対すれば、その戒壇たる決定は未来における未定のこととして、御仏意に任せ奉ることが僧俗信仰の基本であると信じます。

 要するに、本仏大聖人の最後究竟の御指南たる『三大秘法抄』『一期弘法抄』の戒壇は、凡知凡眼をもって断定し、執着すべきではなく、ひたすら御仏智に任せ、その御遺命の尊高にして絶大になる仏力法力を仰いで信じ奉り、その実現に邁進することこそ、本因妙仏法を信ずる真の仏子であります。その上から、日達上人の訓諭中の正本堂の定義の文については、左のように補足して拝すべきと思います。

 「正本堂は、広布の進展の相よりして、一期弘法付嘱書並びに三大秘法抄の意義を含むものであり、本門戒壇の大御本尊が安置される故に、現時における事の戒壇である。そして、広宣流布の暁には本門寺と改称され、
御遺命の戒壇となることの願望を込めつつも、一切は純真なる信心をもって御仏意にその未来を委ね奉り、事の広布並びに懺悔滅罪を祈念するところの大殿堂である」という見解が適切と信ずるものです。

                     (上記科段は、便の為当サイトで添加

 
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