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     創価学会の宮本議長宅電話盗聴事件判決

   裁判の経過

 裁判の当初、北条は事件について知らない(不知)とし、一切無関係との態度をとった。いわば山崎元顧問弁護士が、どこかの興信所でも使って勝手にやったとでもいうような主張であった。
 それと歩調を合わせて、そのとき創価学会本部副男子部長という地位にいた竹岡誠治をはじめ広野輝夫、北林芳典も盗聴への
関与を一切否認した。

 ところが創価学会が山崎正友を恐喝で訴えていた別の事件で、広野が山崎の有罪を主張する立場から、自分が盗聴実行行為に参加していたことを証言
するにいたり、それを受ける形で、この事件でも、裁判開始から一年以上も経た一九八一年十一月にいたって、ようやく広野、竹岡の二被告が盗聴の“実行犯”であることを認めた(広野はすでに八一年一月に東京地検で盗聴加担の旨をのべている)。
 また北条も、盗聴準備段階からの関与は認めるにいたらなかったものの、山崎の前記恐喝事件での東京地検の検察官への供述調書のなかで、宮本宅盗聴事件が創価学会学生部員によっておこなわれたことを
一九七〇年七月にすでに知っていたと八一年二月に供述していたことも明らかとなった。

 つまり、学会側被告がそろって裁判所をも欺く態度をとっていたわけである。

 広野、竹岡の“自白
”後は、北条をふくむ三被告が、「山崎の指示で広野、竹岡が盗聴を実行」の線でくい止めようとしたが、続々と盗聴関与者が暴露されるとともに、判決理由で判断が示されているように被告各自の主張と証言にも「不自然」で認められない点が多く出て、事件が創価学会の組織的行為であり、かつ北条も関与している、ことが認定されることになった。

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 この当時、創価学会と山崎元顧問弁護士との関係に亀裂が入り、創価学会は一転して山崎氏を悪徳弁護士と罵り、背任等の罪状で山崎氏を陥れ別の裁判に訴えていました。

 その内部抗争によって、宮本宅盗聴事件の実行グループのメンバーが山崎元顧問弁護士の悪徳性を主張するため、他の裁判で「山崎氏の指揮下で盗聴行為に参加」したことを証言、やがてそれが宮本宅盗聴事件の裁判にも大きな影響を及ぼすこととなったのでした。

 本件裁判の途中までは「
知らぬ・存ぜぬ」で通して来たことでしたが、つまらぬ内部抗争・自界叛逆から、せっかくの迷宮入りの完全犯罪であったのに、創価学会も思わぬ墓穴を掘ったことでありました。

                          ( 平成十四年一月二十八日、櫻川 記 )


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