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     非営利組織の経営 原理と実践
  ( Managing The Nonprofit Organization )

[W都]人事と人間関係 --- 職員、理事会、
      ボランティア、コミュニティ


 2章 --- 人間関係の鍵

 非営利機関と企業との基本的な違いの一つは、非営利機関の方が、決定的に重要な関係者をずっと多く抱えているということである。巨大企業は別として、普通の企業にとっては、関係者はごく少なく、従業員、顧客、株主、それだけである。
 しかし、非常利機関は、きわめて多岐にわたる利害関係者をもっているだけでなく、そのそれぞれとの関係を確立していかなければならない

 非営利機関の場合は、通常、理事会が深くかかわってくる。非営利機関が成果をあげるには、強力な理事会が必要である。しかしそれは、理事会としての職務を行なう理事会でなければならない。理事会は、非営利機関が自らの使命について考えることを助け、その使命を守り、非常利機関をして、その基本的な責務を遂行させる。さらにまた、非営利機関か有能でしかも適切な経営陣によって運営されるようにする。そして組織の成果を評価する。また、危機に当たっては、理事たち自身が火消し役を務める。

 理事会はまた、非営利機関にあって資金集めの中心的存在である。これは、営利機関では見られない重要な役割である.理事会が資金源開拓の先頭に立たなければ、組織として必要な資金を獲得することはきわめて難しい。
 自らの真の責務を理解し、自らの成果について目標をもつ理事会は、干渉などしない.しかし、理事会の役割を白紙のままにして、何も定義せずにおけば、些細なことに介入し、しかも本来の青務については何もしない理事会をもつことになる。

 私の知る限り、リ−ダーシップを正しく発揮する強力な理事会をもつ非営利機関とはすなわち、最高執行責任者(CEO)が、理事にふさわしい人物を自ら見つけ出してくるだけでなく、彼らをチームとして機能させ、彼らに進むべき方向を示すために懸命に働いているような機関である。
 さらに私の経験では、そのような非営利機関では、CEOがいわば理事会の良心としての機能を果たしている。私の見た強力かつ有効に機能している理事会では、ほとんどいずれも、理事は指名によって選ばれているのも、このような理由であろう。

 たとえば生活協同組合のような、理事が会員の選挙で選ばれている非営利機関において、本当に強力な理事会を見ることはまれである。理事長には、誰を理事会メンバーにするかについて何の発言権もなく、CEOにもない。そして理事会は、少なくとも私の経験では、会員のあれこれのグループを代表するのであって、組織全体を代表するもの 非常利機関の理事会の会議室に通するドアには、「理事会は権力を意味するものではなく、責任を意味するものである」と大書しておくべきであろう。ではなくなってしまっている。

 私はあらゆることについて、年齢制限には反対してきた。しかし、理事の職ということになると、私としても、一期三年、二期くらいまでに限定するのかいちばんいいと考えざるをえない。二期務めたら、いったん退任すべきである。そして、三年経ったらまた、復帰してもよい。ただし、七二歳ぐらいになったら、理事を辞め、もう復帰すべきではない。
 もう一つ、よく見られる問題は、理事会内部の赦しい対立である。ここに至っては、理事長とCEOとのチームワークが絶対的に必要となる。

                        上記科段は、便の為に当サイトにて添加

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