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       権力者の心理学

 第一章 指導者の心理学
  
7 指導者の「老い」をどうするか

     「初老期」が問題

 (略) 一般的に言えば、「老害」といっても、本当に痴呆に陥り、ぼけてしまえば、周囲の人もみなこれに気づき、引退を迫られるので害は少ない。
 狭義の老年痴呆(最近ではアルツハイマー型痴呆とよばれる)、つまり脳細胞の脱落と脳実質の萎縮によって起きるものがこれである。(略)

 政治家や財界人として、まだ現役で活躍している人が、初老期に急に抑制がとれ、高圧的で気まぐれとなり、
気まぐれな人事経営方針の変更を次々に行い、あるいは性的、金銭的にだらしなくなる というようなことがはじまる。(略)
 トップにこういう事態が生じたら、とにかくどうやってでも診察を受けさせるのが周囲の者のつとめであり、それはただちに
組織全体のサバイバルにつながるのである。

 しかしこの場合でも「
猫の首に鈴をつける」ことは 難事業にちがいない。(略)


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