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権力者の心理学
第一章 指導者の心理学
9 経営者の孤独と狂気
「正気」を保ち孤独を癒す法
(略) トップになることによって、彼のもとにはさまざまな情報が集中するが、それは多くの場合、誰かの手によって濾過され、場合によっては変造され、バイアスがかかっている。
つまり、一般のマスメディアとは異なったニュース源から、さまざまの情報は入ってくるが、それによって、自分は一般人と違った知識と判断力をもっているのだと思ってしまうと、別に宗教など信じていなくても、判断が神がかりになり、「常識」を失うのである。
権力者の「正気」を保つ方法のひとつは、ごく普通のメディアに平常心をもって接しつづけ、愚かしいと思っても、ジャーナリズムの「声」にある程度、耳を傾けつづけることである。
ジャーナリストたちを含め、権力をもつようになると、彼に接する人々は「本当のこと」は言わなくなる。つまり、「相手から何を引きだせるか」を狙って接近するし、部下も真実のことを言いにくくなる。
この場合、トップの耳にどういうことが入るかは、トップが何を聞きたがっているかに依存することが多いのである。したがって、接近してくる人間がみな 下心があるように思えれば、トップの孤独はなお深くなる。(略)
( 句読・改行等、便のため当サイトにて添加 )
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