年頭の辞
「一国諫暁の年」 ここに明けゆく
冨士大石寺顕正会 会長 淺井昭衞
一国諌暁の年は明けた――。
世間を見れば、この年末年始の海外旅行は過去最高の六十六万人に及んだという。だが、この安逸、いつまで続くであろうか。
思わず、タイタニック号の悲劇が脳裏を掠める。もう亡国の兆は、日本の足元にまで忍び寄っているではないか。
見よ―― 財政赤字は五一二兆円に膨れ上がって破局寸前、地球規模で飢餓迫る中に日本の食料自給率は世界最低、朝鮮半島の不穏は日々に増し、中国の脅威は月々に加わる。
さらに人心の荒廃は目に余る。凶悪犯罪は相次ぎ、青少年は放埒頽廃し、政治家・官僚の腐敗堕落は底なしの様相を呈している。
また仏法の眼を以て見れば、昨年すでに四百四十年ぶりといわれる大彗星は出現し、「二・三・四・五の日出で」の現象も、「日輪一重・二・三・四五重輪現ぜん」も事相となっている。まさに諸天は日本の"亡国近し"を告げているのだ。
しかし、日本国にこの根本原因を知る人はいない。ただ日蓮大聖人のみこれを知り給う。
その仰せに云く「日蓮によりて日本国の有無はあるべし」と。
七百年前、日本は、国挙げて大慈大悲の御本仏を軽賎憎嫉し、ついにその御頸を竜の口で刎ね奉った。この天地も驚動する大逆の罪、どうして現当に免れ得ようか。
ゆえに御在世には忽ちに自界叛逆・他国侵逼の大難が巻き起こり、そして今、「未来亦然るべきか」の御予言のまま、改悔なき日本に自叛・他逼の大罰は起こらんとしているのである。
このとき、五十万の仏弟子の大集団は大地より躍り出で、御本仏の使いとして、一国にこれを告げしむる――これが本年から始まる一国諌暁の御奉公なのである。
すでに顕正会は広宣流布の戦さに備え、「冨士大石寺」の名を冠して仏法上の立場を確立し、法人格の鎧も着した。
さあ、大聖人のお待ちあそばす大法戦場へ、一結して勇躍出陣しようではないか。仏弟子の歓喜、これに過ぐるはない。
平成九年元旦