年頭の辞
遥拝勤行の歓喜 全顕正会に満つ
冨士大石寺顕正会 会長 淺井昭衞
昨年の前進は、二つの大事が成し遂げられたことにおいて、まことに偉大であった。
その 一つは、「国難元年」と名づけた平成二六年に誓願した「
広宣流布の基盤たる二百万」が、一年も前倒しで達成されたこと。
二つには、我が家より直接、戒壇の大御本尊を拝み参らせる「
遥拝勤行」の大精神が、全顕正会に徹底したことである。
平成二六年(二〇一四年)をなぜ「
国難元年」と名付けたのかといえば -
中国が対米先制核攻撃能力と報復能力を併せ持ち、米国に依存している日本の存立を脅かすに至ったのが、この年。
また日蓮大聖人の正系門家において、宗門・学会ともに国立戒壇建立の御遺命に背く中、さらに学会が、あろうことか「
弘安二年の大御本尊は受持の対象にはしない」と宣言して、「本門戒壇の大御本尊」を捨て奉るという極限の大謗法を犯したのが、この年であった。
「
仏法は体のごとし、世間は影のごとし、体曲れば影ななめなり」(富木殿御返事)と。
下種仏法の唯一の正系門家がこのように濁乱して、日本国が保つわけがない。ゆえに私はこの年を「国難元年」と名づけ、「
早く二百万を成し遂げ、二〇年代の決戦場に馳せ参じなければ…」と決意し、「
二〇一九年までの二百万達成」を誓願した。そしてその二百万が、一年も早く成し遂げられたのである。
そして今や、全顕正会には「遥拝勤行」の大歓喜が満ちている。顕正会は御遺命を守護し奉ったゆえに理不尽な解散処分を受けた。だが、この解散処分こそ御仏意であった。
この解散処分により、自然と顕正会は、御遺命に背き奉った細井日達・阿部日顕が書写した本尊ではなく、直接、日蓮大聖人の御当体であられ、三世諸仏の能生の根源、無量無辺の大功徳まします「本門戒壇の大御本尊」を拝みまいらせる遥拝勤行に立つことができたのである。
信心に距離は全く関係ない。ゆえに千日尼御前御返事には「
譬えば、天月は四万由旬なれども大地の池には須臾に影浮かび、雷門の鼓は千万里遠けれども打ちては須臾に聞ゆ。御身は佐渡の国にをはせども、心は此の国に来たれり。乃至、御面を見てはなにかせん、心こそ大切に候へ」と。
戒壇の大御本尊様がいかに遠く離れてましますとも、恋慕渇仰して南無妙法蓮華経と唱え奉れば、その唱題は直ちに戒壇の大御本尊・日蓮大聖人に通じ、一生成仏も叶い、大功徳も頂ける。
この遥拝勤行の功徳に歓喜して、いま広宣流布は大規模に進みつつある。
この遥拝勤行こそ、末法の三毒強盛の凡夫を、直接、戒壇の大御本尊に繋ぎまいらせるの秘術。広布最終段階の信行。まさしく大聖人様が開いて下さった広布の大道である。
この歓喜の大潮流は、やがて三百万、五百万、一千万、六千万となる。この弘通に呼応して諸天の誡めも年を逐って激しくなる。そして全国民の過半に及ぶ六千万の地涌の菩薩が「国立戒壇」を熱願するとき、ついには国家意思も決せられ、やがて「勅宣・御教書」も申し下され、いよいよ御遺命のままの「本門戒壇」が富士山天生原に厳然と建立されるのである。
いま諸天の動きは、月々・年々に激しくなりつつある。
近年の異常気象は誰もが知る。間もなく南海トラフ巨大地震も、首都圏直下地震も起ころう。世界大恐慌も始まりだした。これらはすべて、大闘諍の予兆・前相なのである。
大聖人様は、広宣流布の前夜には必ず「前代未聞の大闘諍」が起こることを、諸抄にご予言下されているが、第一次、第二次世界大戦は未だ「前代未聞の大闘諍」ではない。
だが今や世界では、急速に軍事超大国に成長して世界制覇の野望を抱く独裁国家・中国と、これを阻止せんとする核戦力第一位の米国が、身動きのできぬ対決状態に陥っている。 もし両国が、核の抑止力も効なく全面戦争を始めれば、これぞまさしく「前代未聞の大闘諍」である。
核兵器はいま際限もなくその破壊能力を高めている。広島では12万人、長崎では7万人の人命が一瞬のうちに奪われたが、その後に開発された水爆は、旧ソ連の水爆「ツァーリ・ボンバ」の実験においてさえ50メガトン、広島型原爆の3千300倍の出力であったという。これよりさらに進化している今日の核兵器は、まさに人類を絶滅し得る。
この大闘諍は、諸天の厳しき誡めであれば、誰人もこれを止め得ない。この大惨禍をお救い下さるのは、諸天に申し付ける絶大威徳まします、日蓮大聖人ただ御一人であられる。
ゆえに大聖人様は「
諸人皆死して無間地獄に堕つること雨のごとくしげからん時、此の五字の大曼荼羅を身に帯し心に存せば、諸王は国を扶け、万民は難を逃れん」「
日蓮によりて日本国の有無はあるべし」と仰せ給う。
そして大聖人様は、この大罰を用いて全日本人を改悔せしめ、広宣流布をあそばす。この重大御化導をお手伝い申し上げるのは、御遺命を守り奉った顕正会以外にはあるべくもない。
二〇年代こそ広宣流布の決戦場である。
早く三百万を成し遂げ、大聖人様の御馬前に馳せ参らせようではないか。
平成三一年 元旦