顕正会の崩壊は近い


浅井会長の実現不可能な「誇大妄想」を直視しよう!
 

 

      年頭の辞


             広布決戦場の第三年を迎えて

                            冨士大石寺顕正会 会長 淺井昭衞

 昨年は、コロナ禍でさまざまな制約があったが、その中、全顕正会員の大法弘通の赤誠はいよいよ燃え、ついに二二九万六千の法城は厳然と屹立した。
 御本仏日蓮大聖人の「和党ども二陣三陣つづきて」の大教令、日興上人の「未だ広宣流布せざる間は」の御遺誡に、一分でも応え奉ることができたかと思えば、ただ有難さが込み上げてくる。

 それにしても、広宣流布の決戦場たる20年代に突入するや、世界の混乱のテンポは何と早くなってきたことか。これ大聖人様の申し付けを承けての、諸天の働きによる。
 新型コロナが騒がれ出したのは、2020年の初頭であった。発生地が中国の武漢市であるとかないとかを争っているうちに、コロナは瞬く間に全地球上に感染拡大し、いまや世界経済をも崩壊せしめんとしている。世界各国はこのコロナ・パンデミックを眼前にして、対策に大規模な財政出動をせざるを得なくなった。その結果、大量のカネが市中に出回わり、インフレが始まってきたのである。
 例えば、アメリカの昨年10月の消費者物価は、前年同月と比べて6.2%も上昇した。アメリカ政府は、このインフレが長く続くことを最も恐れている。このインフレを抑えるため、アメリカの中央銀行に当る「連邦準備制度理事会」(FRB)は昨年2月15日、量的金融緩和の縮小を打ち出すとともに、2022年中に、計3回の政策金利を引き上げることを示した。
 この利上げは世界に衝撃を与えた。まさに2022年は歴史的なターニングポイントになると思われる。

 いま世界の中央銀行は物価上昇への対処に追われ始めたが、その前途には、低成長と巨額債務が立ちはだかっており、世界経済は金融引き締めには極めて脆弱になっている。
 中でも日本は、安倍晋三首相(当時)の財政規律を無視した異次元金融緩和により、国の借金はすでに1,166兆円。これは国内総生産(GDP)の2・2倍であり、先進国の中で最悪。いつ国家破産してもおかしくない状態に陥っている。だからこそ現役財務次官の矢野康治氏が「このままでは国家財政は破綻する」と題する一文を、捨身で発表したのであった。
 日銀には「通貨の番人」としての重大使命がある。ゆえに曽ての日銀は暴落する可能性のある金融資産など、絶対に保有しなかった。だが今の日銀は、株価維持のために日本株を大量に購入している。同じ理由で国債も保有し、その額は21年7月末で504兆円にも上っている。このような中央銀行は世界で日銀しかない。

 この日本にアメリカ発の「金利引き上げ」という大波が襲ったら、日米長期金利差の拡大でドル高・円安が急進し、ガソリン・食糧などを大量に輸入する日本は物価が高騰し、株と国債は暴落する。
 このとき、株と国債を大量に抱えこんでいる日銀は、ついに債務超過に陥る。債務超過に陥った中央銀行が発行する通貨など、市場が信認するわけがない。かくて円はさらに暴落し、制御不能のハイパーインフレが日本を襲うのである。この金融危機・経済崩壊は日本一国には止まらない。やがて全世界に及ぶ。それが世界恐慌である。
 そしてこの世界恐慌が、全世界を巻き込んでの第三次世界大戦となる。この大闘諍こそ、大聖人様が撰時抄に「前代未聞の大闘諍、一閻浮提に起こるべし」と御予言下された、広布前夜の未曽有の大戦争である。

 すでに世界は、アメリカを中心とする自由主義陣営と、中国・ロシア・北朝鮮を中核とする全体主義陣営に二分され、まさに覇権を賭した睨み合いを続けている。
 中国はいま虎視眈々と台湾侵攻を狙っている。新疆ウィグルに対するジェノサイドを見れば、中国が「領有」を主張している台湾統一が早晩強行されることは疑いない。昨年10月9日に開催された辛亥革命110周年記念大会で、習近平国家主席は「台湾統一」について「必ず実現しなければならないし、必ず実現できる」と自信を示した。さらに台湾への肩入れを強める米国を念頭において「台湾問題は純粋に内政問題であり、いかなる外部からの干渉も容認しない。主権と領土を守る中国人民の、断固たる決心と意志を見くびるべきではない」と牽制した。
 米国も台湾を見殺しにはできない。さりとて中国との全面戦争は避けたい。そこで属国的立場の日本を尖兵として利用する。この日本に対して中国は、これぞ日本侵略の好機として、「核の先制攻撃」に踏み切るであろう。
 まさに台湾有事は即日本の有事である。しかもそれは遠い将来ではない、もう眼前に迫る亡国の大難なのである。

 なぜこのように急テンポで、亡国の大難が日本に迫ってきたのか。世間の人々はその根本原因を知らない。
 大聖人様は富木殿御返事に「仏法は体のごとし、世間は影のごとし。体曲れば影ななめなり」と。また「法門申さるべき様の事」には、伝教大師の正系門家・叡山の濁乱にこと寄せて「仏法の滅不滅は叡山にあるべし。叡山の仏法滅せるかのゆへに、異国我が朝をほろぼさんとす」と。
 いま末法においては、御本仏日蓮大聖人の唯一の正系門家は富士大石寺以外にはない。
 しかるにこの正系門家において、学会・宗門ともに日蓮大聖人の御遺命たる「国立戒壇」を否定した。さらに学会はあろうことか「本門戒壇の大御本尊」をも捨て奉り、宗門は大御本尊を憎嫉する身延派とも連携し、いまや大御本尊を「営利の具」として利用し奉っている。学会・宗門ともに何たる無道心か。
 正系門家がこのように大聖人様に背き奉れば、日本は必ず他国の侵略を受ける。このとき中国の「極超音速ミサイル」は日本を襲うであろう。この惨禍・悲惨は言語に絶する。

 このとき日本をお救い下さるのは、諸天に申し付ける絶大威徳まします、日蓮大聖人ただ御一人であられる。
 この絶大威徳は、竜の口において国家権力もひれ伏した大現証を拝すれば誰人にもわかろう。また立正安国論における他国侵逼の御予言的中と、二度の大蒙古襲来を大風を以て撤退せしめた大現証を拝すれば、理屈ぬきである。いかに大慢心の者も、行き詰まれば道念を起こす。ゆえに「病によりて道心は起こり候か」(妙心尼御前御返事)とも仰せ下されている。況んや、国亡び我が身も失う亡国の大難においておやである。
 大聖人様は、大慈大悲のゆえに諸天に申し付けて他国に責めしめ、この大難を用いて広宣流布をあそばすのである。ゆえに上野抄には「ただをかせ給へ、梵天・帝釈等の御計いとして、日本国一時に信ずる事あるべし」と。

 いま広布最終段階に生まれ合わせて一筋の御奉公を貫く顕正会員は、この「日本国一時に信ずる」を見ることができる。何と有難い宿縁であろうか。
 さあ、いよいよ大事な決戦場第三年を迎える。全顕正会一結、何としても赤誠の信心を以て、大聖人様に応え奉ろうではないか。

 令和四年元旦 ( 顕正新聞 令和4年1月5日号 )