「マインド・コントロール」(文春新書、岡田尊司著、2016年4月発行)から、独裁者やカルト指導者の支配の特徴を知っておこう。
相手の立場になって痛みを感じるなら、相手を傷つけようとはしない。しかし、共感性が欠落していると、支配する快感を押しとどめる機構が働かない。
マインド・コントロールは、虐待やイジメ、ハラスメントと共通する源をもっている。共感性が欠如すると、支配か利用かというあり方になる。
自分は直接手を下さず、言いなりになる部下を使っての支配はリスクが少なく、支配の快感はいっそう大きい。それは病み付きになって、マインド・コントロール支配は中毒的な快感をもたらす。
独裁者やカルト指導者、独善的な上司や配偶者、親、イジメに走る子どもに至るまで、そこには本質的な共通項がある。
その第一は、閉鎖的集団の中で優位な立場にいること。その優位性は、相手の安全を左右できるという点に関わっており、「生殺与奪の権利」を持つ。
第二の点は、弱者に対する思いやりのなさ、さらに自身の正義だけを振りかざす倫理感の欠如である。
そして第三には、支配することが快楽になるということ、「支配は中毒になる」のである。
悪しきマインド・コントロールに走る者は、他者を支配する快楽が強列なのに比して、それを思いとどまる共感や思いやりを稀薄にしかもたない。
そうした特性は精神医学的には、一つの「人格構造の特徴」に一致する。それは「自己愛性」である。「自己愛性人格構造」は、肥大した自己愛や万能感と、他者への共感性の乏しさや搾取的態度を特徴とする。
独裁者であれ破壊的カルトのグルであれ、DV夫やパワハラ上司であれ、支配的な親や同級生へのイジメに愉楽を見出す小中学生であれ、基本的に同じ自己愛的な人格構造が認められる。
(※ 以上、岡田尊司著「マインド・コントロール」より要約)
昭衛氏を妙信講草創期から支えた有為な人々は、ことごとく排除されもはや顕正会に痕跡を残さない。しかし小生の心の中には、御遺命守護を共に闘った先輩幹部諸氏の輝かしい姿が、今も鮮明に残っている。
「試練と忍従」期を共に耐え、自ら育くんだ有為な人材を嫉妬し恐れ、昭衛氏はすべて排除してしまった。
そして今日、長男の浅井克衛氏も娘婿の小峰勝彦氏も最高幹部の理事職から排除され、その理由や消息を問うことは顕正会ではタブーである。
兄を猛毒VXで排除した独裁国家のドンも、身内をも排除する終身会長も、権力を維持するため厳しい情報統制を課することは同じようだ。