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顕正新聞 平成十三年四月十五日号
北朝鮮工作員 富山から潜入
上陸用水中スクーター発見さる
富山県黒部市荒俣の黒部川左岸河口で三月二十九日、北朝鮮の上陸用・水中スクーターが見つかり、県警公安課などは同国工作員が県内に潜入した可能性があるとみて捜査を始め、四月十一日からは、地元警察署などが住民らにチラシで「不審船・密入国者に注意!」と呼びかけ、目撃情報を集めている。
富山県内では一九七六年から八一年にかけて北朝鮮工作員によるとみられる事件が相次いだが、それ以降はなく、今回の事件は二十年ぶり。
県警によると、水中スクーターが見つかったのは、黒部川左岸河口の堤防外側の波打ち際で、通行人から「不発弾らしい物が埋まっている」との通報が同署にあり、調べたところ、北朝鮮工作員のものとわかった。
水中スクーターは発見時、半分程度砂に埋もれており、スクリューは、覆いの部分が曲がって、回らない状態だったという。漂着したり、自然に置かれたものではなく、県警では工作員が上陸に成功したあと、用済みになった水中スクーターを故意に埋めたものと見ている。他の遺留品は見つかっていない。
水中スクーターは、全体が緑色に塗装されたアルミ合金製の円筒形で、全長百六十センチ、直径二十七センチ、重さ七十八キロ。後部にプロペラ三枚のスクリュー、前部に取っ手と起動・変速用スイッチ計二個があり、内部にはバッテリー十八個が装着。先端部の取っ手につかまり、水中を進む仕組みになっている。
富山県警によると、平成二年十一月に福井県美浜町の松原海岸で北朝鮮工作員とみられる二遺体が特殊工作船などとともに発見された際、近くで見つかった水中スクーターと、形状や仕組み、色などが酷似しているという。
「美浜事件」では、故金日成主席の肖像画が載った手帳や、暗号をハングルに換える乱数表、換字表など、多くの遺留品も見つかっている。
その後、県警科学捜査研究所で分析した結果、形状は酷似しているものの、全長で十センチ、重量で九キロ大型で、バッテリーの数も二個増加、高速と低速に速度を調節する変速用スイッチも新たに付けられるなど、全体として性能がアップした「改良型」であることもわかった。
また水中スクーターのバッテリー部分には「一九九八」の刻印があったことから、「平成十一年の工作船侵入のときに潜入したのでは」との見方もでている。
発見現場近くの黒部川内水面漁協の職員は、「河口は中州があるので、海岸よりも上がりやすいのかもしれないが、恐ろしい」と語っている。
公安庁ならびに防衛庁によれば、日本国内にはすでに六千人の北朝鮮特殊工作員が潜入しているとのことで、北朝鮮が暴発した場合、これら工作員が一斉に蜂起して、日本海沿岸の原子力発電所や各地の米軍基地、自衛隊基地等にテロ攻撃を仕掛けてくる可能性が指摘されている。
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