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   三大秘法抄拝読

 
三大秘法の成就は本門戒壇建立

 以上、大聖人の三大秘法の御教示はかようであらせられますが、此れによつて拝しますれば、三大秘法の成就は本門戒壇建立にあらせられることは明らかでありまして、大聖人の御化導の究竟はここにあらせられます。
 それ故、弘安二年十月・此の戒壇堂安置の大御本尊を建立遊ばされ、後・御入滅に先立ち二祖日興上人へ本門寺の戒壇建立を御遺嘱遊ばされ、此の御本尊を御授け遊ばされたのであります。

 依て日興上人は、再三此のことを奏上なさしめられましたが、また三祖日目上人に御遺付遊ばされたのであります。その御譲状に「
日興の身に充て給はるところの弘安二年の大御本尊、日目に之を授与す、本門寺に掛け奉るべし」と仰せられてをります。

 既にかくの如くでありますから、大聖人の御施化に於ては、此の戒壇の大御本尊が究竟であらせられるのでありまして、一切の御法門も御教示も皆此に帰趣せしめられるためであります。
 しかして御在世に於て、有縁の信者へ御本尊を御授与遊ばされましたが、皆此の御本尊中より出生せしめられしところでありまして、その根源は此にあらせられるのであります。御滅後に於ては、なほ更然りであります。

 観心本尊抄に「
地涌千界出現して ・・・・・・ 一閻浮提第一の本尊、此国に建つべし」と仰せ玉ひし御本尊は、此の戒壇の御本尊のことにましますのであります。即ち一切衆生の帰命をなすべき御本尊であります。現在此の御本尊は、本宗総本山大石寺に深く蔵し奉るところであります。



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