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「興尊雪冤録」の妄説を破す
( 初心者への指針 )
( 序 )
先頃来、高田聖泉といふ人が興尊雪冤録といふ小冊子を刊行して、盛んに世間に領不しているとのことであるが、
その目的とするところは日興上人の御性格の厳なりしことや、富士山に戒壇の建立を意図せられしことを讃嘆して、大聖人の直弟子中尤も尊敬すべき御方なること、またその日興上人の御法門を自分が会得してをるかの如く暗々裡に匂はせて、その上に日興上人の直流である日蓮正宗の教義を批判して、現在の教義は後年に出来上つたもので、上人の御正意に全く背いてをるといつて、日蓮正宗の法義を否定し、世間に向つてそのことを吹聴せんとするにある。
此の種類のものは昔から沢山出ているので、本宗として今更問題にすることはないし、その論ずるところも極めて幼稚なものであるから、世間の識者も一読して組するものはあるまいと考えられるから、敢えて取上げて相手とする必要はないと思う。
しかし此れをもつて、他門流における判断の仕方が如何に誤つておるか、そうして支離滅裂であるかといふこと、畢竟此れは彼等が大聖人・日興上人の御法門を、全く穿き違へてをるから起ることであるが、此れ等のことを知つていよいよ本宗の正しさを知る便宜とするならば、初心の人々にとつて好個の材料であると考えられる。
よつて以下「雪冤録」の妄説なることを指摘して、参考に供することにする。
(句読・改行等、便の為に当サイトにて添加)
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