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   日蓮本仏論者 福重照平の 信・行・学

   
安国論と御涅槃

 (
) 斯の如く 釈尊の御遺誡は隙がない。所で聖祖の御遺誡何ぞというに 矢張釈尊と符節を合す如きものがある。所謂 立正安国論がそれである。(
 安国の二字は見易い。通り一遍の所ではその当時の日本国を寧静ならしむこと、更に意をそそいで拝見すれば、
遠く未来一閻浮提を安穏ならしめん の御意に紛れもない。さて立正の二字であるが、何が正にして何が邪か。

 (
)従浅至深、迹門よりは本門、文上よりは文底下種益の南無妙法蓮華経を以って 末法所弘 唯一の正法と定めさせられた。
 さて此を御本尊と崇め奉る上に於て法即人、人即法の理なれば 人に約して所謂正法の御本尊如何と問わば、それは聖祖御自身の内証 久遠元初の自受用身也と解決明答遊ばさずば 御講演に落居がない。何しろ臨滅度時の御講演である。奥の奥まで突込で 御説遊ばされたことであろう。(


 入文して 「
夫れ国は法に依って昌え、法は人に因って而うして貴し」のお言葉がある。それから 「謗法の人を禁じて 正道の侶を重んぜば、国中安穏に天下泰平ならん」の御言葉もある。この 「法は人に因って而うして貴し」の人、正道の侶(ともがら)の侶、この二字を僧位に解釈したのでは浅はかだ。
 是非 三宝の内には仏位に持って来ねばなるまい。久遠元初の自受用身、即ち無始無終常住 婆婆世界の御本仏がそこに御顕れになる。有難いことじゃ。(


 意 実に久遠実成を説く法華本門を指して大乗とし 余の経々は小乗に摂するのである。法華本門を奉行するの道は折伏ならざるべからずと 釈尊も聖祖も厳に此れを我等に遺誡し給うのである。一仏一王の行化は 法華経の主張する所である。法界の唯一仏たる久還元初の自受用身に帰命することは、今の所 遺憾ながら我国にすら普遍しておらぬ。
 但し 一四天下の転輪聖王 -- 大統悠久におわす我が皇道は維新以来 俄然其の光を増益し給う。更に
王仏冥合 事の広布の日来りて現実に娑婆即寂光の宝土湧出せんと祈るや 切なるものがある。終りに更に 安国論の一節を拝写し奉る。意 読者諸賢が聖祖の御遺戒を 肝に染めんを祈るのみ。(

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