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     国立戒壇の建立と学会員の前途

   ( 第一段階として日本国が王仏冥合


 よく会長先生が、日蓮正宗を国教にするしないという問題に対して『
そのような考えで広宣流布への戦いをしているのではない。わが学会は、日本民族、世界人類の幸福世界の建設以外に目的はない』とのおことばが思い出されてならない。
 すなわち、日蓮大聖人様の仏法は世界の仏法である。宗教に国境はありえない。大聖人様の戒壇は、日本国だけではなく、世界に通ずる戒壇であると信ずる。

 その第一段階として、
日本国が王仏冥合して、政治上に、本宗の正義を用いることは当然であろう。しかし、日本一国だけが、大聖人様の仏法を国教としてしまっては、中国、朝鮮が、果して用いるか。アメリカや、ヨーロッパの各国が用いるかは疑問となる。会長先生の思想をよくよく思索し、実践すべきを考えさせられるものである。

 昭和三十三年度は、十二か寺の新寺院の建立が、学会の手によってなされた。本年はまた、全国に、北海道稚内をはじめ、奄美大島等の十ヵ寺の建立が決定された。同時に、百万世帯の学会員は、本年未までに百三十万世帯に進まんと出発したわけである。末寺の道場が全国に林立し歓喜に燃えた信者があふれたときに、根本道場、すなわち
国立戒壇建立への推移となるであろう。

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 さて、「
日本国が王仏冥合」して、「根本道場すなわち国立戒壇を建立」し、「政治上に本宗の正義を用いることは当然」とするならば、それを「国教」と言わずして池田総務は何と呼ぶのだろうか。

 もちろん、日蓮大聖人の仏法が全人類の成仏のための大法であることは、教行証御書に「
前代未聞の大法此の国に流布して、月氏・漢土・一閻浮提の内の一切衆生、仏に成るべき事こそ有難けれ、有難けれ」と云われ、報恩抄には 「
日本乃至漢土・月氏・一閻浮提に、人ごとに有智・無智をきらはず、一同に他事を捨てて南無妙法蓮華経と唱うべし」と。
 そして、三大秘法抄には「三国並びに一閻浮提の人、懺悔滅罪の戒法」と、明示されることでした。

 「日本一国だけが、大聖人様の仏法を国教としてしまっては」などと、要らぬ心配は無用でありましょう。日蓮大聖人の宗教思想を探ってみるならば、漢土も月氏も一閻浮提の国々も、時至れば悉く日蓮大聖人の仏法を「国教」とすること、教行証御書・報恩抄のごとくなのでありましょう。
 故に撰時抄には「
法華経の肝心たる南無妙法蓮華経の大白法の、一閻浮提の内八万の国あり、其の国国に八万の王あり、王王ごとに臣下並びに万民までも、今日本国に弥陀称名を四衆の口口に唱うるがごとく広宣流布せさせ給うべきなり」と。

 その時には世界各国においてまた、国国ごとに「国立戒壇」が建立されることでありましょう。本門の本尊所住の処・即ち本門の戒壇なること、大聖人の立て給う本円戒であることでした。
 しかして、「
一閻浮提総与の本門戒壇本尊」安置の国立戒壇を建立して、国家の命運を賭して御守護申し上げるは、日蓮大聖人の本国であり・三大秘法有縁の妙国であり・本化国主まします日本国であることは、冨士門徒として論を待たないことでありましょう。
 そしてまさしく、「
その第一段階として、日本国が王仏冥合」し、国立戒壇を建立することこそ別しては興師へ
・総じては門下一同への御遺命であり、悠遠六百七十有余年来の日蓮正宗の宿願であり使命であり、そしてまた創価学会の唯一の大目的であったことでした。

 立正安国論に、「是の故に諸の国王に付嘱して、比丘・比丘尼に付嘱せず。何を以ての故に、王の威力無ければなり」と守護付嘱を説かれる意義こそ、一閻浮提の全人類・王臣万民にとってかけがえのない一大秘法の本門戒壇本尊を厳として守護するにあたって、比丘・比丘尼はその実力を持たぬゆえ、その責務を全うし奉るは国家・国主の権能たるゆえであることでした。

                            ( 平成十三年十二月十五日、櫻川 記 )

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