|
顕正新聞 平成十三年十月二十五日号
日蓮大聖人の御大会式 謹んで奉修
“広宣流布・滅後実現”の聖意拝し奉る
浅井先生の講演
広布を滅後にの御聖意
ついで先生は、大聖人が広宣流布・国立戒壇建立を御在世に実現し給わずに、あえて減後にこれを御遺命せられた深意について、次のごとき重大なご見解を示された。
「 日蓮大聖人の絶大威力を以てすれば、御在世に広宣流布が実現せぬ道理はない。しかし、あえてこれを滅後に実現すべく御遺命あそばしたことは、何ゆえか。凡夫の浅き知恵を以て甚深の御仏智を推し奉るは恐れ多い極みであるが、謹んでこれを案ずるに、これひとえに、令法久住のゆえと拝し奉る。
もし御在世に一気に国主帰依・戒壇建立が実現したら、一切衆生はかえって仏法に対して安易の思いを懐く。そして眼前にまします下種の御本仏に対し、“為に仏には値い難し”の深き恋慕渇仰の思いを生じない。
ここに大聖人様は、末法濁悪の未来に無数の地涌の流類を出現せしめ、ご本尊の功徳を民衆一人一人に知らしめ、さらに一国に対しては、地涌の流類をして、日蓮大聖人の重き御存在、すなわち大聖人に背けば国の滅ぶることを告げしむる。かくて一国に大罰現われ、国まさに滅びんとするとき、一切衆生は国惜しみ身を惜しむゆえに、命の底から、唯我一人能為救護の御本仏日蓮大聖人を恋慕渇仰し、南無妙法蓮華経と唱え奉る。
このとき国立戒壇は建立され、戒壇の大御本尊が晴れてお出ましになる。ここに金剛不壊の仏国が実現し、南無妙法蓮華経の唱えはさらに全世界に満ち、万年のほか未来までも流れる。すべては大聖人の慈悲広大の故である。このように御在世に広宣流布を成就せしめず未来に実現せしめ給うことこそ、大聖人様の令法久住の深い大慈悲、御仏智なのである」
| |
戻る 次
|