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   日蓮本仏論者 福重照平の 信・行・学

   
末難に打勝て

 (
) さて御題目の植え付けられた我が心性を 了因仏性又は了因種と呼ぶに対して、御本尊の南無妙法蓮華経を乗種と呼び奉ることである。
 しかも「
恢弘養生」(かいこうようせい)の大謨(だいぼ)は天皇の大御心(おおみこころ)にして 又国家の生命である。この天皇と正義と大日本国の三ッは正しく 出世間法たる本門の本尊と本門の題目と本門の戒壇の三大秘法に表裏して 存在する最高最貴の世間法である。

 通途の宗教は 国土に対する観念頗る希薄である。宗教は超国家的だと ツマラヌことを自慢にする。広くさえあればよいと考えるのが浅間しい。
 物には中心がなればならぬ。中心のないものには統一がない。たとえ土地があり人民があってでも、それは鳥合的の一団で、活動すれば支離滅裂の乱舞を演ずるに過ぎない。(


 我国は無始以来 法華経とは切っても切れぬ縁がある。歴史上明かなのを挙げても 南都東大寺の戒壇、此れは小乗の四分律を弘通したのだが、三重の戒壇の最上に 釈迦多宝並坐の多宝塔が据られた。戒師鑑真和上が 日本国が法華経の戒壇なるを知って居たからである。伝教大師の叡山の戒壇。これは勿論 法華一乗の大戒を弘通したのであった。
 やがて時が来たら富士山に 法華本門の大戒壇が建立されるのである。我が
皇室と法華経に 切っても切れぬ深縁おわすことも、元よりしかあらねばならぬことである。(

 それから聖徳太子が法華経を中心としての諸般の施設、伝教を師とせられた桓武天皇の迹門法華の御弘通等 皆皇室と法華の因縁の深固なるを物語らぬものはない。
 殊に
広宣流布の暁には、本化の聖天子 我が皇室に降誕ありて、法華本門の大戒を一切衆生に受持せしめらるる。承わるだに有難きことである。

 
日本国は 法華経の戒壇である。就中 富土山は法華経本門の大戒壇建立の霊地である。聖祖は弘安御帰寂の夕、本門戒壇の大御本尊を執て之を日興上人に附属し 左の譲状を御授けなされた。
 「
日蓮一期の弘法 白蓮阿闍梨日興に之を附属す。本門弘通の大導師たるべき也。国主此の法を立てらるれば、富士山に本門寺戒壇を建立せらるべき也。時を待つべきのみ、事の戒法というは是也。就中 我が門弟等 此の状を守るべき也。弘安五年壬午 九月 日 日蓮 血脈の次第日蓮日興」。(

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