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創価学会第三十三回総会 池田会長講演
十周年の意義
( 草創期の苦難の偉業 )
薫風さわやかな本日、総本山より日達上人猊下のご臨席を仰ぎ、多数の御僧侶のご出席をたまわり、そしてまた法華講の方々、御来賓の皆さまに暖かく見守っていただくなか、全国の代表幹部一万五千の同志とともに、かくも盛大に第三十三回総会を開催できましたことは、私にとって感無量であり、大変にありがとうございます。
私は、本日を日達上人猊下の御登座十周年の祝典の日とさせていただきたいのであります。
私が会長就任十周年を迎えることができましたのも、ことごとく、日達上人猊下の御威徳のたまものであります。私どもは、日達上人猊下がますますお元気であられますよう、お祈り申し上げるとともに、本日の佳(よ)き日を、全信徒を代表して心からお祝い申し上げようではありませんか。
更に、この十年間、皆さま方の真剣な努力精進によって、広宣流布の輝かしい時代を見事に築き上げることができました。力なき私を誠意の限りを尽くし、不眠不休の活躍によって守ってくださった皆さま方に対し、私は、ただただ感謝の言葉もございません。
ありふれた言葉ではありますが、この胸にたぎる万感の思いを込めて、私は、全学会員の皆さまにお礼申し上げたい。本当にありがとうございました。
初代牧口会長は七年間、二代戸田会長も七年間、会長職を務められましたが、私は若いゆえに十年間もの長きにわたり、会長職を務めさせていただきました。ここに築き上げた広宣流布の一切の基盤は、全学会員の皆さま方の努力の結晶であり、全部、皆さま方のものであることを、ここにはっきり宣言しておきたいのであります。
思えば、恩師戸田城聖先生は、昭和二十六年の就任当時、約三千世帯であった学会を七年間に七十五万世帯にして逝去されました。不肖私が、昭和三十五年五月三日、恩師の偉業の跡をうけて第三代会長に就任したとき、約百三十万世帯であったと記憶しております。それが十年後の今日、七百五十万世帯を数えるまでになりました。すなわち、恩師が亡くなられてより、十三回忌の木年四月二日までに約十倍の規模にまで発展させることができたわけなのであります。
恩師のあの草創期の苦難の偉業にはとうていおよびませんが、この成果に対しては、必ずや牧口先生、そして戸田先生もよくやったと称賛してくださっていることと、私は確信いたすものであります。
( 句読・改行等、便の為に当サイトにて添加
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「恩師のあの草創期の苦難の偉業にはとうていおよびませんが」と言い、「全学会員の皆さま方の努力の結晶」と一見・謙譲を装いつつ、「約十倍の規模にまで発展させることができた」ことを自ら誇り、恩師を引き合いに出して「牧口先生、そして戸田先生もよくやったと称賛してくださっていること」と、ひとり自身の功績に帰着させることでありました。
要は 「草創期の苦難の偉業 」をダシにして、自分はその約十倍の規模の偉業を成し遂げたのだとする自画自賛、これ正本堂における
「久遠元初以来の壮挙」や「仏教三千年空前の偉業」と、同じ構図でありました。
(
平成十四年四月三日、櫻川
記 )
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