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     参院選の大勝利に際し

 皆さん、ほんとうにおめでとうございます。会長先生は、学会の広宣流布までの根本の指導として『団結をもっていきなさい』とおおせになったことがございます。

 今度の参議院選の大勝利は、まさしく団結の勝利であると信ずるものでございます。このたびの団結の姿を、広宣流布のその日まで、支部も地区も、班も組も、ブロックも、大御本尊様を中心にして、団結しあって、仲良く進軍していただきたいと思うのでございます。

 今度の勝利は、大御本尊様のお力によっての勝利であることは明らかでございます。また、会長先生が、今度のいくさを、じつと見守ってくださっておったことも、事実でございます。
 また、皆さま方の真剣な、誠実な、広宣流布に進みゆく、活躍のこの三つが、このたびの大勝利の原因であると思います。
 しかし、これとともに、もうひとつ見のがしてはならない事実、それは
いよいよ広宣流布の機が熟して、自民党でもあきたらない、社会党でも、共産党でもあきたらない、真実の正義の団体、大衆を救っていく団体、なにものかを求めている大衆の心が、日蓮正宗創価学会を認識しはじめたことであります。 

 したがって、大聖人様の御金言どおり 『
梵天・帝釈等の御計いとして、日本国一時に信ずる事あるべし 』(上野殿御返事一五三九ページ)との御金言は、あくまでも化儀の広宣流布国立の戒壇の建立ができるとの、御断言のおことばでございますが、その御予言どおりに、このたびの選挙に勝ち、また、これからも、たびたび繰り返される選挙戦に勝つことが、広宣流布が近づいてきた証拠と自覚すべきであると信じます。
 また、ここでわれわれは、創価学会の本質、創価学会の根本は、あくまでも政治団体ではなく、全宗教界の王者であるという自覚を、さらに新たにしなければならないと思うのでございます。

 願わくは、付和雷同の騒ぎをいつまでもせず、気を引き締めていっていただきたい。『
魔は天上界に住む』ということを、よく先生もお話しくださっておりました。
 われわれは、より以上、全大衆にこたえる物心とものしあわせの姿を証明するとともに、学会本来の行き方であります信心を根本として、折伏と教学を根本として、ことしの後半期も、仲良く、楽しく進んでいきたいと思います。

 最後に、われわれの
目的は広宣流布でありますが、個人にあっては一生成仏が信心の目的でございます。しつかりと峻厳なる信心をして、そぅして宿命の転換をし、人間革命のりっばな生活、りっぱな幸福の姿を会長先生のお墓の前にみせることが、参議院に当選したいじょうの誇りであると、私は思うのでございます。
 以上かんたんでございますが、ひとこと申し上げまして、
今後の腹構えといたします。

                                   (当時、総務)
                                    昭和三十四年六月四日
                                    本部幹部会
                                    台東体育館
                                    参加人員一○、〇〇〇名


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 池田総務(当時)は、参院選の大勝利に際し「広宣流布の機が熟し」つつあると評価し、上野殿御返事を引いて「あくまでも化儀の広宣流布国立の戒壇の建立ができるとの御断言のおことば」である、と述べたことでした。
 併せて「
魔は天上界に住む」と、今後の腹構え」を示しています。

 こうして池田室長・総務の発言において、
国立戒壇」を目的とすることと「魔障」への警戒が、しばしばワンセットになって一連の講演で言及されることを、もう一度確認しておきましょう。

 「親衛隊の決意」では「
東洋の黎明たる国立戒壇の建立」に続けて「第三類の強敵、潜聖増上慢、天子魔が、将来起こることは決定」と言い、「三類の強敵を迎え撃たん」では「国立戒壇建立を二十数年後にひかえ」として、第一類・第二類の狂乱の姿にふれて「第三類の強敵・僣聖増上慢は一部評論家等」と誡め、「迫撃の手をゆるめるな!」では「創価学会の目的である国立戒壇の建立、不開門を開いて」の後に戸田会長の「一歩も退いてはならんぞ」の言葉を示し、「会長先生と青年部」でも同様に「先生の御遺命となった国立戒壇建立」と併せて「一歩もしりぞくな」と遺訓を語り、「民衆の総意で戒壇建立」でも「国立戒壇の建立は日蓮正宗の願望であり、また会長先生の、創価学会の目的」として最後に「天魔の働きや、三類の強敵」に言及したことでした。

 まさしく「
国立戒壇の建立」を目指すとならば、「第三類の強敵、潜聖増上慢、天子魔」が蜂起すること必定と覚悟せざるべからず。
 ゆえに、少しでも油断・慢心を生じるや、たちまちにして「
天魔の働きや、三類の強敵」への用心を失い、あれほど繰り返した戸田会長の「一歩も退いてはならんぞ」の遺訓を忘れ、「国立戒壇建立の大偉業を、りっぱに果」たして
霊山会へ、会長先生に御報告にまいろうではないか」の誓いをも亡失したことでした。

                           ( 平成十三年十二月二十七日、櫻川 記 )


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