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   創価学会第三十三回総会 池田会長講演

     創価学会の体質問題

   ( 「体質問題」についての自己認識

 次に、学会が、これだけ大きくなり、社会に占める比重、責任が大きくなった現在、どうしても、私どもが、心していかなければならない問題は、創価学会の体質という問題であります。
 学会の体質ということについては、言論問題をめぐる種々の批判のなかでも、論議されてきたことでありますが、私どもとしても、受け入れるべきは冷静に受け入れ、改めるべきは、率直に改めていかなくてはならないと思う。

 この体質問題についても、すでに総務会、理事会で何回か検討を重ねてまいりました。
 したがって、ここで申し上げる諸点は、全て、その検討のうえ、決定をみたことであり、皆さん方のご賛同をいただければ、今後の基本方針として、決定したいのであります。

 第一点は、布教、折伏の問題であります。たしかに、これまでは、建設期であったがゆえに、また、若さのゆえに、焦りすぎた面もあった。そのため、随分、注意したのですが、一部に熱意のあまり、つい行きすぎて摩擦を生じた例があったことも知っております。今後は、そうした行きすぎの絶対にないよう、道理を尽くした布教、折伏でいくよう、これまで以上に、互いに戒め合っていきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 現在は、たとえていえば、これまでの高速道路から、混雑した都会の道路を車で走っているようなものといえましょう。したがって、決して数を焦る必要はないし焦っても絶対にならない。

 無理な学会活動をして、社会に迷惑をかけることは大謗法であり、学会の敵であります。多少減ってもいいから、立派に整とんしながら、ゆうゆうとやっていきましょう。むしろ、入信するのが、すばらしい名誉であり、栄光なのだという気概でいくのが、本当なのであります。
 御本尊を受持するということは、最高の宝をいただくのと同じであります。これが仏法の原理である。無上宝聚不求自得ということであります。

 御本尊をなんでも、いただかせようとして、粗末にするようなことがあっては、大聖人の仰せへの反逆である。そのためには、入信にさいしては、座談会に三回以上出席することを条件とし、本人の写真等も添えて、きちんと名簿に登録するようにもしたい。
 また、退会したいという人に対しては、道理だけは尽くしても、決して執拗(しつよう)にとめてはならない。むしろ、本人の意志を尊重し、その意向を認めていくことを、更に強く徹底しておきたい

                       ( 句読・改行等、便の為に当サイトにて添加 )


 池田会長は、ここで自ら創価学会の「
体質問題」に触れ、いくつかの問題点を整理しています。
 まず、「
種々の批判について受け入れるべきは受け入れ、改めるべきは率直に改め」と述べて、創価学会において批判を受ける「体質問題」があったことを明確に認めた上で「総務会・理事会で検討を重ねた」こととして、以下のように述べたのでした。

 1) 焦りすぎ・熱意のあまり行きすぎがあり、摩擦を生じた例があった、
 2) 今後は行きすぎが絶対ないよう、道理を尽くした布教・折伏でいく
 3) 決して数を焦る必要はない、多少減ってもいいからゆうゆうとやっていく
 4) 無理な学会活動で社会に迷惑をかけることは、大謗法であり学会の敵
 5) 御本尊を粗末にするようなことがあってはならない
 6) 退会したい人を執拗にとめてはならない、本人の意志を尊重しその意向を認める


 日蓮大聖人の仏法を「
如説修行」すれば、広宣流布以前においては自ずと周囲に<摩擦>が生じないはずはないことでしょうがそれはさておき、上記のような創価学会・池田会長自身が述べた「体質問題」についての<自己認識>は、おおむねその通りであったことでした。
 ここで指摘すべき事は言い出せばキリがないので、いくつかのコメントのみにとどめることとしましょう。変えると言って変わらなかった体質と、言わないのに変わった体質があるのでした。
 
 4) の「
無理な学会活動で社会に迷惑をかけることは大謗法であり学会の敵」であるならば、その言明と同時並行で進行していた宮本議長宅での盗聴行為は、「社会に迷惑」どころかれっきとした犯罪行為であり、最も卑劣な恥ずべき行為でありました。それを事実上容認・決済した池田会長こそ、自らの言葉に従えば「大謗法であり学会の敵」に他ならないことでしょう。その後も、こうした数々の盗聴・謀略行為の体質は、東京地裁が認定したように変わることはありませんでした。

 6) の「
退会したい人を執拗にとめてはならず、本人の意志を尊重する」との条項は、その後あまり一般会員に浸透することはありませんでした。退会しようとする人への手を変え品を換えてのイヤガラセの実例は後を絶つことがなく、山崎元顧問弁護士が叫んだような「創価学会こそ我国最大の人権侵害団体なのだ」という一面はその後も改まらず、「更に強く徹底しておきたい」等の言葉にかかわらずこうした傾向は変わりませんでした。
 
 不思議なのは、2) と 3) の項目でありました。藤原元総務によれば「学会勢力の伸びは横這い状態からやがて五十年代に入ると減少傾向を示し、今日まで一度として上向きになることはなかった。つまり、四十五年から今日までの約二十年間、池田創価学会は最初の十年間とは逆に勢力を衰退させ、現在の実数は三百万世帯前後の間に落ち込んでいる」(池田大作の素顔)ということでありました。
 
 2) と 3) の謂いようをいくら読んでも、「
もうこれ以上折伏をしない」とは読めません。強引なやりかたはひかえるとして、「道理を尽くした布教・折伏」はいささかも否定されてはいないのでした。しかし、実際には藤原元総務が云うように、「創価学会の伸びは横這いから減少し、上向きになることはなかった」のでありました。
 さすれば創価学会におけるきわめて大きな方向転換・路線転換が、この言葉の「言外」に為されたのでしょう。強い指導力を以て、従来の「折伏」が選挙のための「
フレンド作り」に置き換えられ、その体質が大きく変わったことが知られます。

                        ( 平成十四年四月二十九日、櫻川 記 )


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