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   創価学会第三十三回総会 池田会長講演

     共産党に対する態度

 次に、共産党に対する、これからの基本的な考えを述べておきたい。現在、共産党と学会が、常に敵対間係鑑あるかのような印象を世間に与えております。しかし、これは私の本心ではない。共産党の創価学会に対する攻撃から、防衛のため、こちらとしても反撃せざるをえなくなっただけのことであります。
 私としては、こうした泥仕合はできるかぎり避けたいというのが本意であります。われわれは、かたくなな反共主義を掲げるものではない。また、そうあってはならない。

 創価学会は、宗教の次元に立つものであります。宗教は、一切を包容していくべき立ち場のものであります。ゆえに、政党と同じ次元で争うべきではありません。
 ただ不当に、私どもの信仰を圧迫する動きに対しては、信教の自由を守るために、正当防衛として戦っていくのはやむをえない。
 したがって、こちらの自由意思だけでは、いかんともしがたいことですが、私どもの意向としては、こうした無益な争いは、絶対にやめるべきであることを訴えたい。

 この創価学会の立ち場を、皆さんとともに再確認しあうとともに、世論に対しても、明確にしておきたいのであります。

                       ( 句読・改行等、便の為に当サイトにて添加 )


 藤原元総務によれば、「自分の国会喚問をなんとしても阻止するために衆参両院の七十人近い国会議員を総動員し、各党の懐柔策を命じた。共産党を除く各党の理事を全部懐柔せよ、という号令が本部から全議員に指示された」(池田会長の素顔)ということなのでしたが、たしかに共産党だけはこうした裏工作や懐柔が一切利かない政党でありました。

 そして共産党は、「イデオロギー政党」の故に原理原則が明確であって、創価学会の教義・宗教理論にまで鋭く掘り下げて批判を加え得る能力と意思とを強固に持った組織・団体であり、新聞社や雑誌社のように広告や不買運動等の利益誘導も脅迫もできないことでした。
 また、共産党に対しては、藤原弘達氏のような学者や内藤国夫氏のようなジャーナリストのように、裏から様々に手を回しての言論封殺・出版妨害もできず、創価学会にとって最も手強い天敵でありました。

 そして池田会長がこのように総会で述べているまさにその時期、懐柔も裏工作も利益誘導も脅迫も言論弾圧も出版妨害も通用しない日本共産党に対して、
昭和四十五年五月から約三ヶ月にわたって、恥ずべき宮本議長宅への電話盗聴が計画・実行されていたのでありました。
 いったいどこが、「
宗教は、一切を包容していくべき立ち場のものであります。ゆえに、政党と同じ次元で争うべきではありません」なのだろうか。やっていることはヤクザやマフィア以下の次元のことではないか。いや、いくら「一切を包含」するといっても、このような卑劣さ・仁義のなさを引き合いに出しては、ヤクザとマフィアに失礼にあたるだろう。

 しかも先には「結果として、これらの言動が全て言論妨害と受け取られ、関係者の方々に圧力を感じさせ、世間にも迷惑をおかけしてしまったことは、まことに申しわけなく、残念でなりません」などとかりそめの謝罪のポーズをしておきながら、「
信仰を圧迫する動きに対しては、信教の自由を守るために、正当防衛として戦っていく」と、その舌の根も乾かないうちに進行中の共産党への盗聴工作を正当化し居直るのでありました。

 オウム教団が強制捜査の際に、女性信者たちに「宗教弾圧だ」と叫ばせた光景はいまだ記憶に新しいことでしたが、自らの悪行を「信教の自由」を以て口実・隠れ蓑にすることは、創価教団が大先輩であったことでした。

                        ( 平成十四年四月二十七日、櫻川 記 )


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