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創価学会第三十三回総会
池田会長講演
十周年の意義
(
広宣流布は流れそれ自体
)
三大秘法成就の鐘は、即、新しい社会、新しい文化の門出の暁鐘であります。私どもは、昭和四十七年十月十二日の完成の日を楽しみに、妙法の燦(さん)たる誇りに燃えた人生を満喫しながら、仲良く、堂々と、再び前進を開始していこうではありませんか。私は、ここで広宣流布ということについて一言しておきたい。
広宣流布とは決してゴールインを意味するものではない。なにか特別な終着点のように考えるのは、仏法の根本義からしても、正しくないと思う。大聖人の仏法は本因妙の仏法であり、常に未来に広がっていく正法であります。したがって、大聖人は鎌倉時代当時を指しても広宣流布の時であると断言されておりました。
それは、大御本尊という全民衆の信仰すべき法体を確立されて、そこから広々と、妙法の源流が流れていくことを確信せられていたがゆえに、たとえ一国謗法の時であっても、因果倶時で広宣流布の時であるとされていたと思うのであります。
しかも大聖人が「
末法万年尽未来際
」と叫ばれたのは、それ自体、広宣流布の流れは、悠久にとどまるところがないことを示されたものであります。広宣流布は、流れの到達点ではなく、
流れそれ自体
であり、生きた仏法の、社会への脈動なのであります。
一往は正本堂建立が、広宣流布の完成といえましょう。しかし再往は、これで終着点なのではなく、新しい広宣流布、すなわち、真実の世界の広宣流布の開幕を意味するものであることは当然であります。
( 句読・改行等、便の為に当サイトにて添加 )
ここで池田会長は「
広宣流布は、流れの到達点ではなく、流れそれ自体
」という珍説を持ち出すのでした。
かつての池田会長の言明であった 「
広布の暁
が刻一刻と間近に迫る証明
」(奉安殿建立の意義)や、「
創価学会こそ、その仏意仏勅をこうむり、御本仏日蓮大聖人様の御金言を虚妄にせず、大聖人様正信の弟子として、
一国広布、否・東洋広宣流布
に向かって
」(同)や、「
三祖日目上人様は国家諌暁四十何度、七十歳をこえた御老齢をもって、その途中、垂井で御遷化あそばされた不自惜身命の姿を学会精神として(略)、僧俗一致で
広宣流布
に進んで、宗開両祖の御恩に報いなければならない
」(創価学会の歴史と確信)等は、ことごとく「
広宣流布は、流れの到達点
」であり、しかもそれが「国立戒壇」建立の前提であったことでした。
広宣流布が、流れの到達点ではなく 「
流れそれ自体
」であるならば、日興上人の「
未だ広宣流布せざる間は、身命を捨て随力弘通を致す可き事
」(日興遺誡置文)は、どのように会通できるのだろうか。
「
一国本尊流布の終了にともない(略)国立戒壇の建立がなされるのであります
」(親衛隊の決意)であったはずでありました。
「
本因妙の仏法
」や「
因果倶時
」などといった言葉で幻惑して、「
法体の広宣流布
」と「
化義の広宣流布
」の違いを百も承知の上で法義を誑惑すること、宗開両祖・歴代先師そして恩師たる牧口・戸田両会長への師敵対というのほかはないことでありましょう。
そしてこの原稿を書いて池田会長の破仏法を助けたのは、池田会長を「
久遠元初自受用身の再誕だ
」と当時すっかり信じ込んでいた、
原島教学部長
でありました。
さて、創価学会では平成十四年四月一日付けで 「
創価学会会則
」を改変し、その第二条では創価学会の「教義」について、「
日蓮大聖人を末法の御本仏と仰ぎ、一閻浮提総与・三大秘法の大御本尊を信受し、日蓮大聖人の御書を根本として、日蓮大聖人の御遺命たる一閻浮提
広宣流布を実現
することを大願とする
」のだそうです。
結局、「
広宣流布は流れそれ自体
」論や、「
大聖人は鎌倉時代当時を指しても広宣流布の時であると断言
」などの誑惑は、さすがに放棄されたということなのでありましょう。
ちなみに、「
一閻浮提総与
・三大秘法の大御本尊」とは弘安二年の『
本門戒壇の大御本尊
』とすれば、「宗教法人顕正会」規則の第三条 「
この法人は、日蓮大聖人を末法下種の本仏と崇敬し、大聖人出世の本懐たる弘安二年の『本門戒壇の大御本尊』を帰命依止の本尊とし、血脈付法の二祖日興上人を末法下種の僧宝と仰ぎ、日蓮大聖人の御遺命たる広宣流布・国立戒壇建立を成就して真の日本国安泰および世界平和を顕現することを目的とする
」と、「
国立戒壇
」の語の有無を除けばほとんど違わないことになるのでした。
しかして、従来の会則にあった「
弘安二年の
本門戒壇の大御本尊」
の語句があえて今回削除されたところに、創価学会が会則を変更した趣旨・要諦が
あるのでありましょう。
( 平成十四年四月五日、櫻川 記 )
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